【経理担当者の退職前に】必要な準備を解説します
突然会社の経理担当者が辞めたいと申し出た場合、慌てる経営者は多いと思います。規模の大きくない会社では一人で様々なことを担っているケースが多いからです。ですが、退職理由は様々で、退職時期は事前に想定できているものではありません。このコラムでは、突然の退職に備え、準備しておくことについて説明いたします。
経理担当者が退職まえにやるべきこと
一口に「経理業務」と言っても、会社によって兼務していることが異なります。経理といいながら総務業務も担当している、人事・採用領域も担当している、営業もしながら経理を担当している会社もあることでしょう。5W1Hを考えながら、担当者が行っている業務の洗い出しを丁寧にされることをお勧めします。
具体的には
請求書発行
誰宛に?いつまでに?どのように?(例;郵送のみでOKなのか、事前にPDF送信ののち、原本も送るのか 等)
請求書の支払い
複数の口座をお持ちの会社ではどの口座から決済?ネットバンキングのパスワードは?取引先との支払サイトの情報はどこを見ればわかる? 等
督促
債権回収の期日から何日すぎたらどのように連絡を入れるか?
給与計算
いつから始める?何から着手している?立替金の精算方法は?有給の管理は?
総務
入退社処理はどう行っている?社会保険の算定基礎は自社で行っている?労働保険の手続きは自社で行っている?
会計入力
会計ソフトの入力方法は?(例;法人カードはAPI連携がされている?銀行口座とはAPI連携がされている?レシート類は手で入力している?)
顧問税理士とのやり取り
どのタイミングで?何を送付すべき?
上記は例示であるため、もっと幅広く業務をこなしている担当者もいることでしょう。月のスケジュールでどのあたりに何の処理を行っているか丁寧にヒアリングされることをお勧めします。
また採用についても正社員が必要かパート・アルバイトでとりあえずよいかを確認し、
・ハローワーク
・求人媒体
・人材派遣
・人材紹介
等に求人を掛けるにしても選択肢があります。
また誰かと雇用契約を結ばす、アウトソーシングする、という手段もあります。
実際に退職したあとにやるべきこと
経理担当者は会社にとって重要なポジションを担っています。辞められると業務も資金繰りも回らなくなる、、という事態を防ぐために、しっかりとしたマニュアルとまではいかなくても、各業務について情報を整理し、共有することが要となります。簡単な手順書のひな型を作成し、運用していくのも一つの手段ですし、これを機にマニュアル作成ツールの導入検討をしてみるのもいかがでしょうか。
いつでもタイミングよく後任者が採用できるか保証はありませんし、早急に退職したいという申し出があった場合、十分な引継ぎ期間を設けられるかもわかりません。経理担当者に属人化させているものはブラックボックスとならないよう可視化する意識付けが肝要です。
まとめ
退職者が出たといっても、会社の日々はずっと続きます。業務を止めないためにも、事前に準備できることを洗い出し、整理することで、引継ぎもスムーズになります。
また、経理担当者の業務範囲が広い場合、自社の業務にマッチする人材にすぐに出会えるかどうかは未知数です。日次・月次の会計入力は経験があるが、給与計算は未経験、入退社処理は外部に依頼していたので未経験、、等 応募される方のスキルも様々なことでしょう。
雇用契約を結び、バックオフィスは自社ですべて行うか、一部アウトソーシングに出すか等 これを機に検討されることもお勧めです。
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